google analytics では singapore からのスクレイピングと思われる大量のアクセスが観測されているのですが、adsense はそれらを除外していると考えて良いですか。
結論から申し上げますと、基本的には AdSense 側で「無効なトラフィック(無効なインプレッション)」として大部分が除外されていると考えて問題ありません。
ただし、「100%完全に防げているとは言い切れないため、レポート数値の差異に留意が必要」というのが実情です。
なぜシンガポールからの大量アクセスが発生するのか?
Google Analytics(GA4)で「シンガポール(Singapore)」からの異常なPV急増が見られる現象は、Web運営者の間で頻繁に報告されています。
主な原因は、AWS(Amazon Web Services)などのクラウドサーバーのシンガポールリージョンを利用して動いている海外の自動スクレイピングボット・AI学習用クローラーです。
AdSense と GA4 で処理(除外)の仕組みが異なる理由
AdSense と GA4 では、トラフィックの集計ルールとボット検出の仕組みが異なります。
1. AdSense 側の処理(基本的に自動除外される)
- 無効なトラフィックの自動検出: AdSense は広告主を保護するため、JavaScript の実行パターン、IP、ヘッダー情報、広告枠への接触動作などをリアルタイム(および月次)で厳格に判定しています。
- 広告タグが読み込まれない: 簡易的なスクレイパー(Python などのプログラム)は html データを取得するだけで JavaScript を実行しないため、そもそも AdSense の広告タグが動かず、AdSense のレポートには 1 インプレッションもカウントされません。
- 無効判定による差し引き: もしブラウザをレンダリングするタイプの高度なボットが広告タグを読み込んだとしても、人間以外の挙動と判定されれば「無効なトラフィック」として収益・インプレッションから自動除外されます。
2. GA4 側の処理(記録されやすい)
GA4 にも公知のボットを除外するフィルターが備わっていますが、ヘッドレスブラウザ(Puppeteer や Playwright など)を用いたスクレイピングボットや、新しいボット IP からのアクセスの場合、GA4 上では「一般ユーザーのアクセス」としてそのまま記録されてしまうことが多々あります。
このため、「GA4 ではシンガポールからの PV が急増しているのに、AdSense のレポートでは増加していない(または微増にとどまる)」という差異が発生します。
運営上の注意点と推奨される対策
AdSense が無効トラフィックを除外してくれているとはいえ、放置すると以下のようなリスクが残ります。
- サーバー負荷の増加: スクレイピングが大量すぎると、自社サーバーの応答速度が低下します。
- アカウントへのリスク(万が一の判定漏れ): 非常に精巧なボットで AdSense タグが読み込まれ続けた場合、意図せずアカウントが「無効なトラフィックの疑い」で一時停止されるリスクがゼロではありません。
お勧めの対処法
- GA4 でデータを除外する(分析精度の維持):
GA4 の管理画面で「フィルタ」を設定し、特定の国(シンガポール)や特定のアカウント/ISP(AWS など)を除外するデータフィルタを作成するか、レポート探索でシンガポールを除外したセグメントを作成して分析します。 - Cloudflare 等の WAF を導入する(根本対策):
サーバー手前で Cloudflare などを挟み、「Bot Management」や「特定国・データセンター IP からのスクレイピングブロック」ルールを適用することで、GA4 にも AdSense にも届く前に遮断することが可能です。
まとめると、AdSense 側での広告収益やインプレッション判定については安心しても大丈夫ですが、GA4 のアクセス解析データが歪んでしまうため、GA4 側で国フィルタをかけておくのが安全です。
singapore からのアクセスはアリババというよりはアマゾンということですか。
結論から言うと、AWS(Amazon Web Services)のケースが非常に多いですが、Alibaba Cloud(アリババ)や Google Cloud(GCP)の可能性も十分にあります。
「シンガポールからのアクセス」の正体は、特定の企業というよりも「シンガポールにあるデータセンター(クラウド事業者)」です。シンガポールは東南アジア最大のITハブであり、主要なクラウド事業者が巨大なデータセンターを構えています。
主な発生源となるクラウド事業者
- AWS(Amazon Web Services)
クラウド市場シェア世界1位であり、多くの開発者や企業がスクレイパーやボットのプログラムを動かす基盤として利用しています(リージョン:ap-southeast-1)。 - Alibaba Cloud(アリババクラウド)
アジア圏でのシェアが非常に高く、中国系企業や技術者が海外拠点のデータセンターとしてシンガポールリージョンを好んで利用します。中華系のクローラーやスクレイパーである場合は、アリババクラウド経由のケースも多々あります。 - Google Cloud(GCP)
OpenAI(GPTBot)、Anthropic(ClaudeBot)、ByteDance(Bytespider)などのAI学習用クローラーが、Google Cloud のシンガポール拠点(asia-southeast1)を経由して巡回している例も急増しています。
アマゾンかアリババか特定する方法(GA4での確認)
GA4 の標準レポートだけでは「シンガポール」としか分かりませんが、以下の手順で「どのサービスプロバイダ(クラウド)か」を絞り込むことが可能です。
- GA4 の「探索」を開く
- ディメンションに 「国」 と 「ネットワーク サービス プロバイダ(または サービス プロバイダ)」 を追加
- 指標に 「アクティブ ユーザー数」「セッション」 を追加
- フィルターで
国 = Singaporeを指定して表を作成
レポート結果に以下のようなプロバイダ名が表示されます。
- Amazon.com / Amazon Technologies → AWS
- Alibaba.com LLC / Alibaba Cloud → アリババ
- Google LLC→ Google Cloud(AIクローラー等)
- DigitalOcean / Linode / Vultr → その他開発者向け格安クラウド
補足:AWS か アリババ かによる違い
- AWS 経由の場合: 個人開発者、海外のデータ収集企業、競合調査ボットなど、多種多様な主体のスクレイパーが混ざっています。
- Alibaba Cloud 経由の場合: 中国国内から直接アクセスするとブロックされる、または遅いため、シンガポールのアリババクラウドを経由させて日本のサイトをスクレイピングしているケースが多く見られます。
いずれの場合も「データセンターからの自動アクセス」であることに変わりはないため、必要に応じて GA4 でプロバイダ単位で除外するか、Cloudflare などの WAF でデータセンター(ASN)IP をブロックする対応が有効です。
念のため再度確認したいのですが、adsense の方が analytics よりも厳格に無効なトラフィックをフィルタリングしてくれているということでよろしいですか。
はい、その理解で間違いありません。AdSense の方が Analytics(GA4)よりもはるかに厳格・シビアに無効なトラフィックをフィルタリングしています。
この厳格さの違いは、両者の「ビジネス目的」と「処理のタイミング」が根本的に異なるためです。
| 項目 | Google AdSense | Google Analytics (GA4) |
| 主な目的 | 金銭取引(広告費)の保護 | アクセス動向の測定・分析 |
| 基準 | 「人間の有効な意図があるか」 | 「通信が発生したか」 |
| 判定タイミング | リアルタイム + 事後審査(月末確定) | 受信時の自動判定が基本 |
| ボット検出力 | 非常に厳しい(疑わしきは排除) | 標準的(一般的なボット中心) |
なぜ AdSense の方が圧倒的に厳格なのか?
- 広告主の「お金」がかかっているためAdSense は広告主からお金をもらって掲載しているため、ボットや自動スクレイパーによるインプレッション・クリックを誤ってカウントすると広告主に損害を与えてしまいます。そのため、少しでも挙動が不審なトラフィック(JavaScriptの実行速度が速すぎる、マウス移動がない、データセンターIP等)は容赦なく除外対象にします。
- 多重の判定システム(事後減額もある)AdSense はリアルタイムの除外だけでなく、一度カウントされたレポートであっても後から「無効なアクセス」として数字を差し引く(収益確定時の調整)ほどの徹底した管理を行っています。
- GA4 は「広く記録する」のが役割GA4 はウェブサイト全体のアクセス傾向を見るツールなので、ボット判定を厳しくしすぎると「本物のユーザーのデータまで消えてしまうリスク」が生じます。そのため、あからさまなスパムボット以外は比較的データを通す設計になっています。
まとめ
GA4 上でシンガポール等からのPVが急増して見えていても、AdSense 側のインプレッションや収益にほとんど反映されていなければ、AdSense のセキュリティが正しく機能して無効化してくれていると判断して安全です。
これも確認なのですが、google adsense のトラフィックソースに多数を占める「その他」は、awsなどで動いているさまざまなクローラーからのアクセスが合算されたものと考えられる、ということでしょうか 。普通の人間なら検索エンジンか、ツイッターなどのSNSか、自分のブックマークなどからアクセスしてきますよね。
結論からお伝えすると、「スクレイピングなどのクローラーが合算されて『その他』の数字を押し上げている」というのは間違いありませんが、それがすべてではなく、「普通の人間(本物のユーザー)」も一定数含まれています。
「普通の人間なら検索エンジン、SNS、ブックマークのいずれか」という前提は非常に理にかなっていますが、現代のWeb環境では人間がアクセスしているにもかかわらず、仕組み上「その他」に分類されてしまうケースが多数存在します。
人間のアクセスが「その他」になってしまう主な理由
- アプリ内ブラウザ(WebView)の存在LINE、Slack、Discord、ニュースアプリなどのリンクをタップして開く「アプリ内ブラウザ」では、元のアプリ情報(リファラー)がブラウザ側に正しく引き継がれず、AdSenseで主要SNSや検索エンジンとして認識されないケースが非常に多いです。
- セキュリティ・プライバシー保護機能Safari(iOS)のプライバシー保護機能や、VPN、Braveなどのプライバシー重視型ブラウザ、広告ブロック系拡張機能を利用している人間がアクセスした場合、リファラー情報が自動的に消去・偽装されるため「その他」に分類されます。
- メールアプリやPDF、デスクトップアプリからの遷移OutlookやThunderbirdなどのメールソフト、PDF内のリンク、デスクトップ版アプリからブラウザが開いた場合、参照元が存在しないため「その他」や「Direct」として扱われます。
クローラーと人間の混ざり具合のイメージ
AdSenseのレポートに表示されている「その他」の中身は、以下のような「分類不能なデータの混同体」と考えると実態に近いです。
- スクレイピングボット・クローラー(AdSenseのフィルタをすり抜けてJavaScriptを実行した高度なボット)
- アプリ内ブラウザから来た人間(LINE、Slack等)
- プライバシー設定を強化している人間(Safariユーザー、VPN利用者等)
- メールや非WEBアプリから来た人間
まとめ
したがって、「AWS等のクローラーが多く合算されているのは事実だが、LINEやアプリ内ブラウザ、プライバシー設定を行った『本物の人間』も混ざっている」というのが正確な状態です。
もし「その他」からのアクセスで広告のクリックや収益がわずかでも発生しているとすれば、それはクローラーではなく間違いなく『本物の人間』です。