百貨店最上階の大食堂

執筆者:

カテゴリ:

いつの頃だったか、私がまだ働いて給料を貰う前、つまり学生だった頃に、母と祖母が上京してきて、どこか旨い物を食いに連れていけと言われて、三人とも田舎者であったし、私は夜中にどこか居酒屋のようなところへ行くことはあっても、金が無い学生であるから、昼間に「旨い物」が食えそうな店のあてなどない。大昔のことで、ネットで良い店を探すこともできない。それで適当に、銀座のなんかのアパートの最上階にあるレストランに行ったのだが、そこでも何を頼んで良いのかわからず、スパゲッティを三人で食べたのだが、こんなものは家でも作れると祖母に言われて、実にふがいない思いをした。

しかし今や、こうした銀座のデパートの最上階のレストランというものはほぼなくなっているという。あの時行ってなかったらきっと一生行く機会はなかったろうと思えば、今となっては良い思い出である。

AIにも聞いてみたが百貨店の最上階の大食堂のようなものは廃れていまではいろんなテナントが入ったレストラン・ラウンジフロアという形式になっているらしい。つまり今やどこの駅ビルでも見られる光景だ。私の知る限り御徒町の吉池にはそうしたレストランがまだある。吉池は青物や魚介類を売る店であるからこうした食堂を置いても経営が成り立つのだろう。百貨店独自の食堂というものは要するに素人経営に近いわけで、せいぜいスパゲッティ・ミートソースくらいしか出せまい。既存のチェーン店には太刀打ちできないから、テナント貸ししたほうが良いということになったのだ。

今の私ならば浅草辺りに連れていき、今半か米久、あるいは金太楼あたりに入ったのではないかと思う。もしかするとアリゾナあたりに行ってみたかもしれない。それはそれで当時としては貴重な経験にはなったのであろう。

私はだいたい一人で飲み歩くので人をもてなすために大勢でいくための店のストックが無い。

私は長崎の出身だが18才まで長崎にいたが、夜の街を飲み歩くわけではないから、思案橋辺りのことなどいまだに何も知らない。定年退職したら少しは開拓してみたい。

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です