The Interpreter その2

amazon でレビューを見てしまったので、The Interpreter (2005)の続きを書くのだが、やはりこの映画はいろんなことを詰め込もうとして破綻しているのだと思う。

冒頭、アフリカで男3人組が出てきて、そのうちの二人がアフリカ人の子どもらに射殺されてしまう。そのあと国連本部の通訳の女シルビアが出てくるのだが、連続性がまったくない。殺された二人はシルビアの兄と恋人で、生き残ったのがフィリップという男で、フィリップはシルビアに遺書を残して自殺するんだが、なぜ自殺したのかよくわからない。ともあれ、話の流れがまったくわからぬままこのへんまで見されられる。

gemini に聞いてみたのだが、gemini も人間関係が混乱していてよく理解していないようだ。これは困った。

まず、Simon、彼は Silvia の兄。Xolaは Silvia の恋人。Philip と Simon と Xola は3人でアフリカのスタジアムの廃墟のようなところに死体(たぶん大量虐殺現場)を見に行く(なぜ?)。Simon と Xola は Philip を車に残してスタジアムの中に入り、そこでアフリカ人の子どもらに射殺されてしまう。

Silvia は Philip と連絡をとることに成功する。Philip は Xola は死んだが Simon は生きていると嘘をつく。そのあと Philip は Silvia にほんとうのことを書いた遺書を残して自殺してしまう。なぜ Philip は自殺したのかと gemini に聞いても、gemini もよくわかってないらしくてまともに答えられない。

いやいやいや。ストーリー複雑すぎだろ。

初版限定DVDには別のラストが収録されているらしく、それでは、国連会議で演説中にシルビアがズワーニに銃を突きつけて(ズワーニは大統領なので国連本部に銃を持ち込むことが許されていた。シルビアはその銃を奪ったのだろう。国連で通訳として働いていたシルビアはもちろんその事情を知っていた)、死者確認リストをズワーニに読み上げさせたという。その方がまだ展開としては自然だったかもしれない。

監督のシドニー・ポラックはユダヤ人でこういうややこしい国際問題を描くのが好きなのだと思う。私がこの映画を面白いなと感じて最後まで一気に見たのは、この映画の雰囲気が homeland に似ていたからだと思う。わけがわからないまま見ていくとそのうちすべてが伏線回収されて気持ちよく見終わるのかと思ったが全然そうではない。

ショーン・ペンとニコル・キッドマン(シルビア役)というのが割と有名な役者らしいのだが、それがまたこの映画の評価を微妙なものにしている。

ショーン・ペン演じるトビン・ケラーという捜査官はいきなり妻がこないだ交通事故で死んだとか言い出すのだが、これが重要な背景なのだとすれば、ちゃんと映像で描かなきゃダメだろ。トビンとシルビア、それぞれの背景にある人間関係をもっと丁寧に描かないとストーリーがまったく伝わらない。homeland のような長編ドラマにしたほうがよかったのではなかろうか。2時間で全部説明するのは不可能な気がする。

あと死亡確認名簿というものにこだわりすぎているような気がする。最後にズワーニに読み上げさせるという小道具として使いたかったのだろうけど、うまく活かされてない。

ICC (ハーグ国際裁判所)と国連とアメリカ政府の関係についても(知っている人は知っているのだろうが)もう少し丁寧に説明すべきなんじゃなかろうか。最近トランプ大統領がICCをうんたらかんたらとか言っていたので、ここだけでもかなり面白いものが作れるのだろうなと思う。

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